予想外のインフルエンザとなんだかんだで、異例の「本と映画」まとめてアップ。
『ちいさいおうち』中島京子(文藝春秋) 直木賞受賞作品。若かりし頃のお手伝いさん時代のできごとを 年老いてから、密かにノートにしたためるおば。 そのノートを時折、現代っ子の甥が読んでいることを知った上で。 今の時代はなんでもすぐ明らかになってしまうけれど、 誰にでも秘密はあり、全てを明らかにすることだけがいいことなのではない。 そんなことを考えさせられた。 おばの死後、甥はおばの残した手記に決着(言葉は悪いが)をつける。 茶目っ気のあるおばの語り口が、全体を包んで、よい作品になっている。 『イトウの恋』中島京子(講談社文庫) 『ちいさいおうち』を買う時に、中島京子の本を何冊か購入した。 郷土研究部の顧問を押し付けられた新米教師。ふとしたことから 維新後間もない時代に英国女性の通訳をしていた青年の手記を見つけ、 部員と、青年の孫の娘を巻き込んで、その生涯を追っていく。 手記は言葉も難しく、読むのが大変だったが、読み終えた時、達成感があった。 「阪急電車」・・・原作を読んだ時、とても心地よく感動したのを思い出した。 どの登場人物も原作のイメージが生かされていて、 それを宮本信子がびしっとまとめてくれた感じ。また見たい1本。 「プリンセス・トヨトミ」・・・「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」に続き、 京都、奈良、大阪には秘められたパワーがあるらしい。 堤真一はやはりうまい俳優だと思った。 でも、ひょっとしたら、原作の方が面白いのかもしれない。 万城目学の作品は、空想力で楽しむ部分が多いから。 庭のあじさいがやっと咲いて、じめじめ梅雨に突入。
by barnes_and_noble
| 2011-07-03 14:02
| 本
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